頚動脈エコー

動脈硬化とは

血管の壁が厚く、硬く変化して、血液の通り道が細くなり、血液が流れにくくなる病気です。

動脈硬化図1
動脈硬化が進むと、脳や心臓の血管がつまりやすくなります

脳卒中や心筋梗塞など、動脈硬化で血管がつまる病気で、日本人の約3割の方が亡くなっています。

動脈硬化図2
動脈硬化図3
動脈硬化の診断に頸動脈エコーが有効です

エコー検査(超音波検査)によって、からだの外から、血管の中の状態をみることができます。首の血管(頸動脈)は、脳や心臓の血管をうつす鏡です。頸動脈の動脈硬化がすすんでいると、脳卒中や心筋梗塞をおこす危険が高くなります。

動脈硬化図4
動脈硬化の目印は頸動脈の壁の厚さ(IMT)です

動脈硬化は、血管の壁が厚くなることからはじまります。IMTを計測することで、動脈硬化を早期に診断することが可能です。頸動脈エコー検査で、あなたの血管年齢がわかります。エコー検査は痛みもなく、からだに害はない検査で、短時間でおわります。

高脂血症とは

高脂血症とは、血液中にコレステロールや中性脂肪などの脂質(油分)が異常に増えた状態です。健康な血液は血管の中をサラサラと流れますが、脂質の多い血液はドロドロと流れにくくなり、血管にくっついたり、血管をつまらせたりします。こうして血液の流れが悪くなった状態を動脈硬化といい、脳卒中や心筋梗塞などの原因になります。日本では、男性は30歳代から、女性は50歳代からほぼ2人に1人が高脂血症と考えられます。日本人の高脂血症は、潜在的な患者を含めると2000万人以上です。しかも、自分が高脂血症であることを自覚していない人が多く、自覚している人はわずか30%にすぎません。また、高血圧や糖尿病に比べると、高脂血症は軽視される傾向があり、高血圧や糖尿病に比べると病気の本質が知られていないことが問題です。

高脂血症の診断
診断基準(日本動脈硬化学会, 2007年)
LDL-コレステロール 140mg/dl以上
HDL-コレステロール 40mg/dl未満
中性脂肪 150mg/dl以上
上記のいずれかをみたすと、高脂血症と診断されます。 ただし、数値は空腹時採血の結果です。

危険因子のなかでも、糖尿病、脳梗塞、閉塞性動脈硬化症があれば、他に危険因子がなくても慎重に治療を行う必要があります。

  • 危険因子の数
    • 年齢(男性≧45歳、女性≧55歳)
    • 高血圧
    • 糖尿病(境界型を含む)
    • 喫煙
    • 家族歴(両親に心筋梗塞や狭心症があるか)
    • 低HDLコレステロール血症(40mg)
このうち、いくつ持っているか
  • 食事療法
    総カロリー、栄養バランス、コレステロール摂取の適正化
    • 標準体重(理想体重)=身長(m)×身長(m)×22
    • 摂取エネルギー量=標準体重×30
      たとえば、身長160cmの場合、標準体重=1.6×1.6×22 → 56kg
      摂取エネルギー量=56×30 → 約1600kCal
    • タンパク:肉より魚、大豆タンパクを多くする。
    • コレステロール:1日300mg以下、アルコール:1日25g以下(ビール1本、お酒1合、ワイン2杯程度が目安)
    • 脂肪:総カロリーの25%以下にする。動物性脂肪を少なくし、植物性・魚類性脂肪を多くする。
  • 運動療法
    • 速歩き、ジョギング、水泳、サイクリングなどの有酸素運動
  • 薬物療法
女性の高脂血症

女性ホルモン(エストロゲン)は、LDL-コレステロールの低下とHDL-コレステロールの増加、LDLの酸化抑制、血管への直接作用などによって動脈硬化を抑える働きがあります。更年期以降、女性の高脂血症が増えるのは、エストロゲンの低下が原因です。

一方、エストロゲンが十分にある閉経前の女性では、冠動脈疾患(狭心症や心筋梗塞)はきわめてまれです。閉経前の女性は、重症のコレステロール血症、糖尿病、大量喫煙などの危険因子がなければ、まず、肥満の是正や禁煙など生活習慣の改善が治療の中心になります。

しかし、 閉経後の女性は、生活習慣の改善とともに薬物療法が必要なことも多くなります。

高齢者の高脂血症

65歳以上75歳未満の高齢者は、成人と同じく治療を行うことで、心筋梗塞や脳梗塞の予防効果があります。75歳以上では、はっきりとしたデータがなく、合併症の有無や状態によって個別的に治療方針を決める必要があります。

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