腹部エコー

リアルタイムな画像が得られる、人体に無害な検査法。当院では肝臓、胆嚢、膵臓、脾臓、腎臓、大動脈、腹部リンパ節、子宮、卵巣、前立腺、腹水、胸水まれに拡張腸管の程度や胃壁の肥厚などを観察します。

最近は検査技師免許があれば誰でもこの検査を行うことができるため、施設によりまた施行者の経験や知識・技術の差によって検査の質の差が問題となっています。

熟練した医師が行うとかなり細かい病気を見つけることができます。超音波の反射波を画像にするので、放射線のような身体に対する影響は全くなく、診断能力の高い、安全かつ有用な検査です。患者さんは薄暗い部屋の中でベッドに横たわっているだけ。ぬるっとしたゼリー(超音波の通りをよくするため)を塗って、10分から15分ほどの検査です。苦痛もありません。

腹部超音波検査の特徴
検査で得られる情報量 ★★★★★
検査に伴う苦痛の少なさ ★★★★★
検査の簡便性 ★★★★★
検査の安全性 ★★★★★

よくある診断名について

脂肪肝
  • 酒の飲みすぎが原因、お酒を控えればもとに戻る。
  • 飲みつづけると肝臓が悪くなる。

脂肪肝とは、肝臓の中にたっぷりと脂肪がたまっている状態です。肝臓はアルコールと脂肪を処理する臓器ですが、アルコールと脂肪は、肝臓の中で同じ経路で処理されています。アルコールを大量に摂取すると、肝臓は脂肪の処理まで手が回らなくなり、肝臓の中に脂肪がたまってしまうというわけです。脂肪の取り過ぎでなるわけではないのです。

アルコールを控えれば徐々に普通の肝臓に戻っていきますが、このまま飲酒を続けると、いずれアルコール性肝障害から肝硬変に進行し、命を縮めます、要注意です。

肝腫瘍
  • 最も多いのは肝血管腫でこれは大きさが3cm程度までであれば放置して問題ありませんがまずは悪性かどうかきっちり検査しておく必要があります、悪性の所見がなければ定期的な経過観察で十分です。
  • 他はほとんどが悪性腫瘍が多く、B型やC型の肝炎ウィルスが陽性の人は肝細胞癌、その他の悪性腫瘍はほとんどが胃癌や大腸癌、膵癌などの腹部臓器にできる癌の転移です。
胆石
  • 胆のうにある胆石は無症状なら放っておいてもよい。
  • 総胆管にある胆石は大急ぎで除去すべき。

胆石とは、コレステロールやビリルビンという胆汁の成分、カルシウムなどが固まって石のようになったものをいいます。胆のうの中にあり、無症状であれば、特に治療は必要としません。しかし、時々おなかが痛くなったり、熱が出たり、時には黄疸が出たりすることもあります。こうなったら大急ぎで治療しないといけません。特に、総胆管というところに「落ちた」胆石は何かと悪さをすることが多いので、早急に治療をすべきです。 また症状のない胆石を何年も持ったまま経過している人の中でまれに胆のう癌を合併していることがあるので定期的な検査が必要です。ほとんどの胆のう癌は症状が出たときにはもうすでに周囲に広がって根治的に手術で取り除くことが不可の程広がっていることが多いです。

胆のうポリープ
  • ポリープには悪性化するものあり、定期的な検査・経過観察が必要。
  • 悪性の可能性が否定できなければ手術。

胆のうポリープと言ってもほとんどがコレステロールポリープで放置して問題ないですが、数%は悪性化の可能性のある腺腫性ポリープのこともあります。ある程度以上の大きさ、あやしい形をしているものや、悪性の可能性が否定できなければ、手術を考慮すべきです。

腎結石
  • 症状がなければ経過観察だけ。

「石がある」なんていうとちょっとイヤですが、無症状であれば治療は必要ありません。尿管結石は強い痛みを伴い血尿がでることがあります。

のう胞
  • のう胞とは、腎臓・肝臓・膵臓などに発生する、中に液体のたまった空洞です、たいていは無症状・無害。
  • 膵臓ののう胞は悪性化の可能性あり、専門医に相談。

たいていは無症状・無害。病的意義のないものですが、多臓器に多発しているもの、膵臓にあるものは要注意。腎臓にたくさんある場合(多嚢胞腎)、将来、腎不全に進行する可能性があります。膵臓ののう胞は悪性化する可能性があり、こちらも要注意です。しかるべき検査を受け、定期的なフォローアップが必要です。

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