当院での診察治療はすべての保険に適応していますので安心してご来院下さい。
痔は誰にでもあり症状が出ないものまで含めると成人の7割近い人に痔が認められます。軽い程度の痔であれば座薬などの治療でおさまりますが、ひどくなってくると手術が必要になってきます。手遅れになる前に治療をすれば手術で切らずに痔を取り除くことができます。

奥の方にある痔で痛みが少なく出血を伴うことが多い。
ひどくなると便の時に痔が肛門の外に出てくる(脱肛)。痔の中でも最も多く、後で述べるように座薬や手術が必要になります。

肛門の皮膚が腫れてできる痔で通常は治療の必要のないことが多いですが、中に血の塊ができると急激に痛みと腫れを伴うことがあり(血栓性外痔核)その場合は、局所麻酔をして中にある血の塊を出す必要があります。

硬くて太い便が出たときなどに肛門が切れておこる。
非常に痛い、時に出血も多いことがあります。
通常薬の治療で治ります。

肛門の奥にあるくぼみから膿が広がって肛門の近くにたまり(肛門周囲膿瘍)そこから皮膚へ穴があいて、最終的に肛門の奥と皮膚とが細い道でつながってしまう。
通常痛みも腫れもないが肛門周囲にできた穴から毎日少量ずつ膿がでる。
放置するとその膿の出てくる道が迷路状に広がってくる。




当院での治療の基本理念はできるだけ痛みやダメージの少ない治療法を選択すること、すなわち、切り取らなければいけない大きさでもできるだけ輪ゴム結紮で、輪ゴム結紮で治療するところをできれば硬化剤の注射のみで治療できるように工夫しています。また術後の苦痛を少なくするため持続麻酔薬(術後1−2週間痛みの感覚が鈍くなる注射)や麻酔の軟膏などを使用して術後の疼痛管理にも工夫しております。
新しい硬化療法として注目されているALTA法(ジオン注という硬化剤)で行います。痔核内に痔核を固めて収縮させる薬(硬化剤)を注射し、痔核を徐々に縮小させて出血や脱肛を治療します。通常無痛領域にある内痔核内に注射しますので、無麻酔で3−4分で終わります。痛みはほとんどありません。合併症としては軽い腹痛や微熱、大量に注射した場合は肛門が狭くなったりすることがありますので当院ではできるだけ安全に行うために量を少なくし、合併症の予防に努めています。出血のある内痔核や脱肛内痔核の中でも大きさが親指までのもの、大きくても軟らかい痔核に良い適応です。

特殊な輪ゴムで痔核の根元を縛って血流を遮断し、自然に脱落させる方法で治療します。ゴムを糸で縛って固定して早期の輪ゴムの脱落や出血を予防することもあります。あまりに大きい場合は硬化剤で痔の血流をなくして一度縮小させてから輪ゴムで縛るようにします。できるだけ切り取る手術をせずに済むように工夫します。肛門は通常手前のところは痛みを感じますが、奥は痛みを感じません。この輪ゴム結紮術では痛みのない部分を、つり上げるように特殊な輪ゴムをかけてしばり10日前後で脱落させます。痛みの感じる範囲を避けて輪ゴムをかける場所を決めるので、麻酔をすると痛みがわからなくなり、どこに輪ゴムをかけるのが一番術後の痛みが少ないかがわからなくなります。そのため通常麻酔はせずに行います。 しかし痛みは全くないわけではありません、多少の痛みは伴いますが、飲み薬で十分おさまる程度で、たいてい翌日にはほとんど痛みはなくなります。輪ゴムでしばられた痔は血流がなくなり徐々に縮小し自然に脱落します。脱肛内痔核で非常に大きい場合(親指より大きい)、または脱出する内痔核が硬くなっている場合やポリープ状になっている場合に良い適応です。

合併症で最も気をつけないといけないのは術後出血です。術後は少量の出血はありますので心配はいりません。特に10日前後で輪ゴムが自然脱落する頃は出血することがあります。まれに500人に1人ぐらいの確率で大出血する場合が報告されています。術後1週間をすぎた頃に強くきばったり深酒をしたりすると大出血の確率は高くなるので気をつけてください。 便器に血の塊が出てくるような場合は要注意ですので当クリニックか119に電話をしてください。
これは通常の病院で行われているいわゆる痔核を切り取って縫う方法で痔核の根元を糸で縛って(結紮)切除する事から結紮切除術とも言われています。内痔核だけでなく外痔核成分の多い痔核や上記の治療で処理しきれないような大きさの痔核はこの方法で切除します。当院では少しでも痛みを少なくするため、切除する範囲や切除箇所をできるだけ少なくすること、術後に持続麻酔薬を使用して術後の痛みをできるだけ少なくすることにより、日帰り手術で安全に行えるように工夫しています。合併用はやはり術後出血でこれも500人に1人ぐらいの確率と言われています。

これは気ばったり下痢をしたり重いものをもったりして肛門に急激に圧力がかかったときに、肛門の皮膚の下に出血して血の塊ができる外痔核のことで、急に痛みと腫れを自覚することが多いです。小さくて痛みが軽い場合は軟膏などで吸収されるのを待ちますが、大きく痛みが強い場合は局所麻酔で5mmほど切開して中の血栓(血の塊)を取り除く手術が必要です。これも3−4分で終わり、術後の痛みはほとんどありません。術後1週間ぐらいは注射の影響で腫れたままですが、それ以降は徐々に腫れが引いていきます。

これは肛門の外に余った皮膚のことで、多くの人の肛門に存在し、通常手術の必要はありません。しかし、肛門の違和感や便を拭き取るときに邪魔になったり擦れて痛みがでる場合もあり、この場合は手術になります。
当院では皮垂の手術は、この振り分け結紮術で行うことが多いです。これは余って垂れ下がった皮膚の根元を根元で半分に分けて糸で縛って血流を遮断し、数日後に自然に脱落させる方法です。本来ならば術後の痛みが強いですが、持続麻酔薬を注射しておくことにより、ほとんど痛みで苦しむことはなく、日常生活も普段通りに行えます。

患者様の痔の種類や大きさ状態に合わせて最も適切でなおかつできるだけダメージの少ない治療法を勧めて行くようにしています。しかし痔は命にかかわる病気ではありません。奥に大腸癌や癌の元になるポリープがあった場合は命にかかわってきます。排便時出血や肛門の違和感がある場合はできるだけ下部大腸内視鏡をするようにお勧めしています。
硬い便や勢いよく出る下痢などにより、肛門の皮膚が裂けるのが原因です。女性に多く、20−40歳代の方によく見られます。出血は少量で排便時の痛みがあり、これが排便後にも続くことがあります。慢性化すると深い潰瘍になり肛門が狭くなり、さらに硬便によって裂けるという悪循環が生じます。裂肛には急性期と慢性期があり、この状態によって治療方法が異なります。
| 分類 | 主な症状 | 主な治療法 |
|---|---|---|
| 急性期 | ![]() |
軟膏などによる保存的治療 |
| 慢性期 | ![]() |
場合によっては手術 |
基本的にお薬による治療です。症状は強くても肛門が狭くなく、みはりいぼや肛門ポリープや深い潰瘍がなければお薬で治ることがほとんどです。
ボラザGなどの裂肛部分の上皮形成を促し痛みを抑える軟膏を肛門内に注入します。朝の排便後と寝る前に入れて下さい
これは肛門の括約筋の緊張や痛みを和らげ、肛門の循環を良くして裂肛を治療していきます。肛門の外側に塗ってください。塗りすぎると頭痛を引き起こす事があります(危険な副作用ではありません)ので少量ずつ何度も薄く塗ってください。
便秘で硬便が出る人はせっかく裂肛を治しても1回でも硬便が出て切れてしまうとまた振り出しに戻ってしまいます。便秘の人は裂肛が完全に治る3週間ぐらいは便通に気をつけて、1日でなければ次の日には必ず便が出るように下剤を服用して下さい。下痢がひどい人はその原因も調べ、下痢止めや整腸剤が必要です。
上記の急性期の治療に加えて、どのような合併症があるかによって治療内容が異なります。
これは慢性的な裂肛と潰瘍形成により周囲の皮膚が盛り上がってできるいぼで大きくなると擦れて痛みがでたり違和感が強くなります。基本的には手術で切除しますが縫う必要のないことが多く、日帰り手術が可能で術後の痛みもほとんどありません
みはりいぼと同様の原理で肛門内にできるポリープです。大きくなるといぼ痔のように排便時に脱出してきたり出血したりします。内痔核の輪ゴム結紮術と同様に輪ゴムで縛って自然に脱落させる方法で治療します。日帰り手術で数分で終了し、ほとんど術後の痛みもありません。
裂肛が慢性化して深くなるとこの潰瘍部分が硬くなり肛門が狭くなって括約筋まで瘢痕化してしまいます。この場合は瘢痕化した括約筋のほんの一部分を切開して広げる手術(内肛門括約筋側方切開術)や潰瘍部分やみはりいぼなどの病巣部分を切除して肛門の外の皮膚を移動させて縫いつけて肛門を広げる手術(皮膚弁移動術)などが必要になってきます
裂肛の治療の原則は慢性化して手術が必要になるまで放置せず、不規則な食生活や排便習慣などを改善して裂肛になる原因(便秘や硬便下痢など)を取り除き、早い目に薬による治療(軟膏や下剤など)を根気よく続け、治っても再発させないように注意することです。
痔瘻とは昔から穴痔(あなじ)とも言われ、細菌感染が原因で肛門の周囲に小さな穴ができて、そこから膿が出る病気です。肛門周囲膿瘍が完全に治り切らない場合、痔瘻になります。通常肛門と直腸の間にはポケットのようなくぼみがあり、下痢したりするとそこから便や細菌が入り込んで膿がたまり、肛門周囲膿瘍となって肛門周囲の皮膚に穴があいて膿がでます。この肛門周囲膿瘍が治っても肛門の奥のポケットから皮膚までの道が残って膿が少量ずつ出続けることがあり、これを痔瘻といいます。痔瘻は通常ほとんど痛みません、肛門周囲の穴から毎日膿がで続けるため肛門周囲がいつもジクジクしてかぶれたりします。
痔瘻は放置しておくと、最初肛門周囲に一つだけだった穴がいくつも増えてくることがあります。これは痔瘻の複雑化といって、どんどん穴が増えて迷路のように広がり、治療しても再発が多くなかなか治りません。つまり治療の原則は複雑化してしまう前に手術で完治させてしまうことです。また痔瘻が複雑化して何年も炎症が続いてる場合、痔瘻の部分にまれに癌ができることがあります(痔瘻癌)。痔瘻ははっきりした原因は不明ですが、下痢したり便通に異常がある時に起こりやすく、男性の方が多いのが特徴です。
痔瘻の治療の原則は手術です。肛門周囲膿瘍がある場合はまず切開して膿を出し、感染がおさまってから痔瘻になるのかそのまま治ってしまうのか様子を見ます。痔瘻になってしまった場合は複雑化する前に手術した方がいいです。感染がひどい時にはまず抗生剤で感染を抑えてから手術します。
痔瘻が浅い場合、瘻管(膿のでてくる 道)を切開して開放にして、少しずつ肉が 盛り上がってきて治していく方法です。 括約筋の一部を切除します。

括約筋をなるべく切断しないように 瘻孔(膿のでる道)をくりぬくように切除 する方法です。通常入院が必要で、肛門の 変形がきたり、傷が完治するまでかなりの 時間が必要です。

痔瘻の原因になっている肛門の奥の 穴から、膿がでてくる外の穴までゴムひもを 通し、ゴムが縮む力を利用して少しずつ瘻管 を切開し、徐々に開放して治していきます。 ゴムが自然脱落すれば治療は終了(1〜数ヶ月) で、その間入浴排便仕事も普通通りにできます。 入院の必要もなく、肛門の変形も少なく、最も 肛門へのダメージの少ない手術方法です。 1−2週ごとにゴムを締めて治療を進めてい きます。

ほとんどの痔瘻はこの痔瘻結紮術(シートン法)で根治できますが、時に深いところで複雑化している場合などは再発してくる可能性もあります。 この痔瘻結紮術(シートン法)はほとんど合併症もなく(合併症は痛みや少量の出血がある程度)現在はほとんどの肛門専門医が第一選択としている手術方法です。
